子ども用
表紙/裏表紙
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のびたくん きょうりゅうのくにをいく あなたにおくる おはなしのほん ジョーゼフ・フィッタント作 あき よしこ訳 ヴァレリー・ウェブ画 |
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野比 のび太 さま これは あなたのために とくべつに つくられた おはなしのほんです。 君がいるから、がんばれる。 ピー助のことは忘れない・・・ 2006年5月5日 ドラえもんより |
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のびたくんは 11さい。
ふとんのなかで、ねがえりをうって ゆっくりと めをあけました。でも、すぐに めをつぶりました。 「まさか!ユニコーンのはずがない!」 のびたくんは いま みたものが しんじられなかったのです。 もういちど おそるおそる めをあけてみました。 そのどうぶつは やっぱりいました。 「おはよう、のびたくん。 きょうは きみのねがいごとをきくために ここに やってきたんだよ」 ユニコーンは ささやきました。 「……えーっと、……そうだ! きょうりゅうのこと、もっとしりたいんだけど……」 のびたくんは こたえました。 |
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「そんなことなら、まかせといて! これから、きょうりゅうのくにへ つれていってあげるよ。よういは いい? さぁ、しっかりつかまって!」 のびたくんをのせた ユニコーンは、 おおぞらに とびたちました。 |
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のびたくんとユニコーンが ついたのは、うつくしいみずうみの ほとりです。 とてもおおきなアパトサウルスが、 「やぁ」と こえをかけてきました。 「ぼくのからだは、バスよりおおきいでしょ。 すきなたべものは、みどりの はっぱなんだ」 のびたくんが なまえをきくと 「ないんだ」 きょうりゅうは かなしそうに こたえました。 「じゃ、なまえをつけてあげる。 ミスター・ビッグってどう?」 |
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「ねぇ、みて! あのやま、ひをふいている!」 のびたくんは、 みずうみのむこうを ゆびさしました。 「ああ、あれは かざんだよ。 まわりをみてごらん。 きょうりゅうのくにには かざんや ぬまや ジャングルが、あちこちにあるんだよ」 「ほんと、すごくあついね」 のびたくんが いいました。 |
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そこへ、ステゴザウルスが あらわれました。 「みて!せなかのギザギザ!」 のびたくんは さけびました。 「あれは ほねのいたで できてるんだ。 ステゴザウルスは あのギザギザで じぶんのみを まもったり、 あそこから たいようのねつをとりいれて からだを あたたかくするのさ」 ユニコーンが おしえてくれました。 |
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のびたくんと ユニコーンは、 うすぐらいジャングルへ はいっていきました。 かわったかたちのむしや、いろいろなきょうりゅうが たくさんいました。 あるきまわっていると、とおくから ビシャビシャと おおきなおとが きこえてきました。 「あんなに おおきなおとを たてているのは だれだろう?」 のびたくんは つきとめたくなりました。 |
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そんなに とおくないところで、 ティエラノサウルスに であいました。 この きょうりゅうは はが おおきくて、 がんじょうなうしろあしで たっていました。 ふといしっぽが からだのささえに なっています。 「あんなに おおきなおとを たてていたのは、 きみだったの! ちょっとうるさかったから、 ノイジィーっていうなまえを つけてあげる!」と、 のびたくんは いいました。 「いま こんなことをしているなんて、 ドラえもんや、しずかちゃんや、ジャイアンやスネオに しんじてもらえるかなぁ……」 のびたくんは おもいました。 |
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きがつくと ユニコーンが ないていました。 「どうしたの?」 のびたくんが ききました。 「きょうりゅうたちには なまえをつけてあげたのに、 ぼくには つけてくれないんだもん」 ユニコーンは しょんぼりしています。 「ごめん、ごめん。 そうだ エーリエルなんて どう?」 のびたくんが いうと 「いいね!」 ユニコーンが にっこりわらいました。 |
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とつぜん、ねことおなじくらいの おおきさの コンプソグネイサスが のびたくんたちの よこを かけぬけながら さけびました。 「ぼくに ついてきて! いいもの みせてあげる」 「はやくはしれるから、 ライトニングって よんでもいいかい?」 と、のびたくんは いいながら エーリエルと いっしょに すごいスピードで ライトニングのあとを おっていきました。 |
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やすみなく どんどん はしっていくと、 ごつごつしたいわが そそりたっていました。 ライトニングが がけのうえのすを みせてくれました。 なかには テルーダクティルスのこどもが 3びき いました。 「だれの こども なのかなぁ?」 のびたくんは おもいました。 |
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「わたしだよ」というこえが、そらから きこえて テルーダクティルスが すがたを あらわしました。 のびたくんは そらをとべるトカゲが いるなんて おもっても みませんでした。 「デッキーという なまえにきめた!」と、 のびたくんは おもいました。 デッキーが すに おりてきました。 エーリエルが デッキーと なにか はなしを しています。 |
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エーリエルが のびたくんに 「そろそろ いえに かえるじかんだよ」 と、 いいました。 のびたくん、エーリエル そして テルーダクティルスは きょうりゅうのくにを みおろしながら、うつくしいみずうみまで まいもどってきました。 「なにが あるんだろう?」 きょうりゅうたちが テープやふうせんで きしべを かざりつけています。 「なにが はじまるの?」 のびたくんが きいても、 エーリエルは こたえてくれません。 |
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ちじょうに おりたつと、 ペントセレープスが あいさつに やってきました。 のびたくんが すばやく かぞえると、 ペントセレープスのあたまには つのが 5ほん。 「なまえは ペンティーだ!」 のびたくんは きめました。 「わたしと いっしょに きてください。 あなたを びっくりさせることが あるんです」 ペンティーは いいました。 |
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きょうりゅうたちが おおきなケーキを とりかこんで います。 「だれのケーキなの?」 「のびたくん、きみのだよ!」 きょうりゅうたちが こえをそろえて いいました。 エーリエルと きょうりゅうたちは、 のびたくんが いえに かえるじかんに なったことを しっていたのです。 だから みんなは のびたくんに じぶんたちの くにで すごした きょうのことを おぼえていてほしくて パーティーを することにしたのでした。 |
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パーティーが おわると ティエラノサウルスのノイジーが いいました。 「のびたくん ざんねんだけど もうすすきがはらに かえるじかんだよ」 のびたくんは、まだかえりたくありません。 でも ドラえもんや、しずかちゃんや、ジャイアンやスネオが しんぱいするし、 みんなに きょうりゅうの くにでの ぼうけんを はなしたくて たまりませんでした。 |
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のびたくんを いえまで おくってくれたエーリエルが、いいました。 「きみと いっしょで ぼくも たのしかったよ」 のびたくんの へやに もらったケーキが ひとつと、 ともだちになったきょうりゅうたちの サインのはいった カードが ありました。 「このケーキを ドラえもんや、しずかちゃんや、ジャイアンやスネオと いっしょに たべて、 この ぼうけんの はなしをするね。 さようなら。エーリエル。 ぼくの ねがいを きいてくれて ほんとうに ありがとう」 |
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のびたくんが ユニコーンにあったら おねがいしたいこと ____________________________________________________________ ____________________________________________________________ ____________________________________________________________ ____________________________________________________________ ____________________________________________________________ ____________________________________________________________ ____________________________________________________________ ____________________________________________________________ ____________________________________________________________ |