大人用
表紙/裏表紙
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雅行流 ゴルフ・プレー あなたに贈るお話の本 ニコラス・グリーンジャケット作 あき よしこ訳 ステファン・マックケルヴァイ画 |
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これは、比類なきゴルファー 小野雅行のために 特別に書かれた本です。 2005年10月10日 |
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ゴルフは18世紀の初めにスコットランドで 生まれた競技であることは、よく知られています。 ささやかに始まったこの競技は、その後 世界中に広まり、今や人気スポーツとなっています。 ボビー・ジョーンズのような、 伝説的なプレーヤーも生まれました。 そして日本でも、国内ツアーにあきたらず、 海外のメジャー大会を目指すプロが 増えています。 ゴルフは世界中で、さまざまな形で プレーされているのです。 オノちゃん流ゴルフもそのうちのひとつです。 |
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オノちゃんは、 森さんや池田さんや小川さんたちと お気に入りのロイヤルゴルフ倶楽部に よくでかけます。 ここで安全なのは、 フェアウェイの真ん中だけ。 そのほかの場所では、 虫も木も鳥もモグラさえ みんな死の危険に さらされてしまうのです! |
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他人のうわさとは裏腹に、 オノちゃんはケチるということがありません。 子供の教育費、家のローンなど あまりたいしたことのないところに 少し細かいところがあるかもしれませんが…… ゴルフのこととなると話は違います。 |
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オノちゃんは以前、 「ゴルフは勝つためにする競技だ」と教わりました。 それ以来、いつも賭けて プレーすることにしています。 スウィングは チャーシューメンのリズムで打つことや ゴルフボールはけっして水に浮かないことなども、 オノちゃんは何年もかけて、体得したのです。 |
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オノちゃんの生活の中で ゴルフがいちばん大事というわけではありません。 彼は何を優先させるべきか、 物事のバランスをどうとるかを心得ています。 かつてオノちゃんが 嵐の中で全コースを回ったという事実はありません。 彼が17ホール回ったところで、 ゴルフ場がクローズになってしまっただけなのです。 |
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ゴルファーは誰でも、パーフェクト・ラウンドを 夢見ています。 ティーグラウンドから フェアウェイの真ん中に飛ばし、 グリーンをねらって正確に打ち、 パットはカップの中心へ…… こんなシンプルで謙虚なものです。 自分の年齢だけ打つことを、 究極の目標にしている人もいます。 オノちゃんが35を打つのはたやすいことです。 問題は、最初の数ホールでその目的が 達成できてしまうことなのです。 |
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ゴルフの名手といわれる人は、いかなる場合にも、 各種のショットで対応できます。 例えば 、フェード、ドロー、パンチ・ショット、 ランニング・アプローチ、というように。 オノちゃんも多彩なショット…例えば チョロ、テンプラ、ドスライス、ドフックなどを 繰り出します。 彼の持つ最高のショットは、 森さんと池田さんと小川さん命名の “まぼろしの一撃”です。 |
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以前、ゴルフにハンディキャップ・システムが 導入されました。 これはゴルフの腕前に差がある人同士でも 一緒に競えるように考えられたものです。 プレー最後の20ラウンドのうち 成績のよい10ラウンドをとり、 その人のハンディを計算するのです。 オノちゃんにとって、 このシステムは大きな欠点があります。 彼は数える価値のある10ラウンドを 回ったことがないのです!? |
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オノちゃんがゴルフをする理由のひとつは、 運動のためです。 ほかの運動はどれもオノちゃんには不向きでした。 泳ごうとすれば体が浮かず、 テニスをやればネットにボールの行く手を阻まれ、 さっさと切り上げたのは、よかったのですが、 彼はホトホト疲れてしまいました。 オノちゃんのようにほどよく鍛えられた肉体の持ち主には、 ゴルフはぴったりの運動だったのです。 |
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ゴルフのラウンドを回りおえると、 いつもオノちゃんは 森さんや池田さんや小川さんと 『19番ホール』に現れます。 そこでその日のショットについて話し合ったり、 次の日程を決めたりするのです。 おなじみのシーンではありますが、 オノちゃんは仲間と 一杯ひっかけます。 それから、いかに今日はついていなかったか、 あそこにバンカーがなかったら、 あのショットさえうまく打っていればと いつものことをあれこれ話し合い 賭けの借金を、作り笑顔で払います。 |
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ゴルフの腕はたいしたことがないのですが、 オノちゃんはときに素晴らしいショットを 繰り出します。 以前、ディープ・バンカーから打ったショットが 奇蹟的にチップインしたことは、 いまだにみんなの語り草になっています。 手の5番を使ったって、 あんなショットは打てないですよね!? |
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オノちゃんは友だちも、 ゴルフも大好きだからこそ、プレーするのです。 みんなで出かけて、自然の中で 緊張から解放されるチャンスでもあります。 オノちゃんは こんなことを言ったことがありました。 「ゴルフボールを打つたびに、 ストレスが解消されてゆくんだよ」 事実、ゴルフをするたびに、 本当にたくさんのストレスが解消されるのです。 |
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オノちゃんはいつか 自分のゴルフの本を書くことを夢見ています。 『3歩前進2歩後退 −オノちゃんのゴルフ人生辛抱だ』 『ゴルフにおける能書きとスコアの相関関係 −オノちゃん著』 『オノちゃんの 19番ホールの楽しみ方』 |
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オノちゃんは何年間も 自分のゴルフに挫折感を味わってきたにも関わらず、 いまだにゴルフを続けている、 その根性は見上げたものです。 彼は我を忘れて 1日中、原野や森林を走り回るのです。 だからこそ 賭けに負けたときの支払いが きれいなことはさておき、 オノちゃんはかけがえのないゴルフ仲間なのです。 |
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ゴルフは、小野雅行にとって まさにチャレンジなのです。 森さんや池田さんや小川さんがオノちゃんに どうしてゴルフをするのか問いかけます。 その答は明白です。 ティーショットがうなりをあげて、飛んでいく瞬間。 アイアンショットがピンにからんでいく瞬間。 ロングパットがラインどうりに カップに吸い込まれていく瞬間…… オノちゃんにとってそんなありふれた出来事はともかく、 ロングホールでセカンドショットが 直接カップインするような 奇跡の主人公になる為にゴルフを続けているのです。 |
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小野雅行
様 自分流ゴルフを楽しんでください。 スコアが悪いからといって、 その日を棒にふるようなことがないように。 ゴルフをボウリングと同じように考えたら いいと思います。 スコアが高いほどいいんだってくらいに……
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池ポチャ、OBなんのその! ゆけッ! ナイッショッ! 『ファ〜』ゴルフ愛好会より 2005年10月10日 |