子ども用
表紙/裏表紙
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かいとくんの ために せかいで たった いっさつの えほん くどうけのおうじさま かいとくん やさしくげんきなこにそだってください! 2006年2月19日 とも&ゆきより |
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ようこそ! かいとくん ようこそ! あかちゃん なかえよしを・作 上野紀子・絵 クリエイト・ア・ブック |
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こうのとりが かいとくんを おとうさんの ゆういちさん おかあさんの みかさんに とどけるために いずみしに むかって とんで いました。 「かいとくんが うまれる 2005ねん8がつ16にち ごぜん7じ5ふんまでには まだ だいぶ じかんも あるなあ。 ちょっと ひとやすみして いくかな。」 こうのとりは ずっと とびつづけて いたので つかれて いたのです。 |
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こうのとりは きれいな おはなばたけに まいおりました。 「きもちのいい おはなばたけだ。」 こうのとりが そういって やすんでいる あいだに かいとくんは はいはいして おはなばたけの さんぽに でかけました。 |
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かいとくんが おはなばたけに はいって いくと そこに きれいな ようせいの おうじょさまが あらわれました。 「ここからは ようせいの くにですよ。 ようせいで ないと はいれませんよ。」 かいとくんは なんの ことだか わかりません。 すると ようせいの おうじょさまは 「かいとくんを ようせいに して あげましょう。」 と いって つえを ふりました。 |
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すると かいとくんの せなかに かわいらしい はねが はえました。 はねが はえると そこに ちいさな はなの ようせいが あらわれました。 「わたしが ようせいの くにを あんないします。」 かいとくんは はなの ようせいの あとに ついて おはなばたけの うえを とんで いきました。 |
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「ようせいの くにの おともだちに しょうかいして あげましょう。」 はなの ようせいは かいとくんを みんなの ところに つれて いきました。 「みなさーん あたらしい ようせいの かいとくんですよー。」 おはなに たくさん ちいさな ようせいたちが あつまって きました。 あたらしい おともだちが できて みんな うれしそうです。 「かいとくんの かんげいかいを しましょう。」 みんなが いいました。 |
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ちいさな ようせいたちは かいとくんの ために ジュースを つくろうと たくさん くだものを もって やって きました。 かいとくんの ための ごちそうです。 「どうして みんな はじめて あったのに こんなに しんせつに して くれるの?」 「だって かいとくんの よろこぶ かおが みたいんだもの。」 ちいさな ようせいたちが こたえました。 かいとくんは うれしくて ジュースを いっぱい のんで しまいました。 「それでは こんどは みんなで かくれんぼを しましょう。 わたしが おにに なるから みんな かくれて いいですよ。」 と はなの ようせいが いいました。 |
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それを きくと みんなは あっと いうまに おはなの かげに かくれました。 かいとくんも いそいで おはなの かげに かくれました。 でも みんな すぐに はなの ようせいに みつかって しまいました。 |
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「こんどは おにごっこを しましょう。」 はなの ようせいが いうと 「こんどは かいとくんが おにに なる。」 と かいとくんが いいました。 「えっ かいとくんが?」 みんなは おどろきました。 「どうして おになんかに なるの?」 と みんなは かいとくんに たずねました。 「だって みんなの よろこぶ かおが みたいんだもの。」 と かいとくんは こたえました。 |
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みんなは かいとくんが こころの やさしい こだと おもいました。 それで ようせいの おうじょさまが かいとくんを ようせいに したんだと おもいました。 ちいさな ようせいたち みんなは そら たかく のぼりました。 とりさんが やって きて びっくりぎょうてんしていました。 かいとくんは たのしくて たのしくて いつまでも とびまわって いました。 |
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あまり とびまわって いたので みんな つかれて しまいました。 ちいさな ようせいたちは おはなの うえに まいおりて おはなの つぼみの なかで おひるねを しました。 かいとくんの まわりに みんな よりそって しあわせそうに ねて しまいました。 |
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しばらく ねて いると どこからか かすかな こえが きこえて きました。 「かいとくん。」 「あっ こうのとりの こえだ。」 みんなも 「きこえる きこえる。」 と いいました。 かいとくんが みあたらないので こうのとりが しんぱいして さがして いるのです。 「もう いかなくては。」 かいとくんは いいました。 |
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「また あそびに きても いい?」 かいとくんが たずねました。 「でも にんげんに なったら ようせいで なくなっちゃうから わたしたちの ことなんて きっと わすれちゃうよ。」 ちいさな ようせいたちが いいました。 「ぜったいに わすれない!」 かいとくんは おおきな こえで いいました。 「さようなら また くるね。」 |
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かいとくんは こうのとりの こえの する ほうへ ようせいの くにの おはなばたけから でて いきました。 すると かいとくんの せなかの はねが きえました。 「さようなら また あそびに きてね。」 ちいさな ようせいたちは かいとくんに てを ふりました。 |
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かいとくんが いって しまうと ちいさな ようせいたちは 「かいとくんは わたしたちの ことなんか すぐに わすれちゃうよ。 もう ようせいじゃあ ないんだから。」 「そうだよね。はねが ないんだものね。」 と かなしそうに いいました。 |
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すると そこに また ようせいの おうじょさまが あらわれました。 そして いいました。 「だいじょうぶ。かいとくんは こころが ようせいに なりましたからね。 はねなんか なくても いつまでも みんなの ことを わすれませんよ。」 ちいさな ようせいたちは あんしんしました。 「そうだよ。かいとくんは ようせいの こころを もった ステキな にんげんに なるよ。」 「そうすれば きっと また あそびに きて くれるよ。」 |
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かいとくん ようせいの こころ わすれないでね! |
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かいとくんは さくらレディースクリニックの ふじたせんせいの おかげで しんちょう 50.5センチ たいじゅう 3020グラムで たんじょうしたのでした。 おとうさんと おかあさんは かいとくんが うまれて だいかんげきでした。 おじいちゃん おばあちゃん ともくんとゆきちゃんが かいとくんの たんじょうを おいわいして くれました。 それを みとどけると こうのとりは まんぞくそうな かおを して かえって いきました。 ようこそ!あかちゃん なかえよしを・作 上野紀子・絵 |